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雪の行方

fuji

 一粒一粒が羽毛のようで、積もると思った昨日の雪は、いつのまにか雨に。そして今朝は一面の青空が広がる。「ユキダルマさん作ろう」と楽しみにしていた坊やは少しつまらなそうだが、寒がりの親父は一安心。
 数年前の大雪で、JR東海道線の車内に数時間閉じ込められたことがある。深夜の多摩川鉄橋上。車内には座れない客があふれ、トイレに困る人も。そのうち一人の女性が恐怖からか異様な泣き声をあげはじめた。それ以来、雪が降ると何となく不安な気分がつきまとう。
 ところが、休日のリビングから眺める雪は、家族の居場所と世界を遠く隔てる白いカーテンのよう。ふんわり家を包むように、白い世界にぽっかりした光と温かさが宿る。家人は「もう今日は買い物なし」と、雪ごもりを宣言。坊やは庭のサッシの前に寝ころんで、じっと雪を眺めていた。
 「雪はどこへ行っちゃったのかな」。今朝、坊やに問われた時、眼前の青空には、すっかり雪に覆われたこの冬一番の富士山が映えていた。

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宿り木の下で

manryou

 クリスマスは朝が早い。坊やは目を覚ますと「うわぁ、サンタさん来たよ」とプレゼントに大興奮。寝ぼけ眼で夫婦そろっておもちゃ遊びに付き合うのが毎年のパターンだ。坊やはこの日以外は見られない喜びようだから、親としてはとても気分が良いのだけど…。
 彼が生まれる前は、家人と鳥を焼いたり、ワインを飲んだりのんびり過ごす日と決まっていた。ところが今はどたばた。もう少しゆったりできないかと愚痴めかすと、家人は苦笑いしながら先日撮ったという1枚の写真を渡してきた。桜の木に顔を出したマンリョウの宿り木だ。
 「クリスマスは宿り木の下でなら誰とでもキスを交わせる」という伝説は、聖夜の言い伝えでも一番気に入っている。意味するところは男女の結び合い。生まれる新しい命はキリストの復活の象徴だという。まあ、難しいことを言う気は家人もないのだろうけど、「子どもと過ごすクリスマスがやっぱり一番」ってこと?
 桜とマンリョウは、ともに日本の春の祭りに欠かせない木。それが寄り添う宿り木とは縁起がいいね。キスシーンの背景という風情ではないけれど、家人からのプレゼント。来年はよい年になりそうだ。

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焚き火パン

takibipan

 さあ今日はベーコンを楽しもうというわけで、またまた庭ストーブの登場。トーストとベーコンエッグなんて組み合わせでは、せっかく作ったベーコンがもったいないからね。テーマは「ブランチを全部ストーブで作ろう」。
 メニューは厚めに切ったベーコンとキタアカリのジャーマンポテト、カリフラワーのポタージュ、そして本日の主役のパン。坊やが山で取ってきた竹筒にフォカッチャ生地とベーコンを交互に巻き込んで、熾き火でじっくり焼いてみた。
 色づいた部分にオリーブ油を塗るのがポイント。こんがりとした色に照りが加わって、食欲を刺激する。口にしてみれば、さっくりした食感。ベーコンの旨みと塩味、スモーク香が混じりあった贅沢な味わいで満足の一言だ。坊やはポタージュのことはすっかり忘れて、竹筒にかぶりついている。
 パン作りというとオーブンが必要とか考えがちだけど、焚き火でも十分。はるか昔の時代のパンは、こんなものだったんでしょう。でも、質素さと野趣がこれほど贅沢な気分をもたらすのだから、工夫って楽しい。
 

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煙が目にしみる

PC160223

 本日は出勤前にベーコンとハム作り。僕の早起きはいつも食べ物がらみだね。
 焚き火用ストーブを庭に出して、卓上コンロを中に設置。アルミ皿に桜のチップと月桂樹をたっぷり入れて火をつける。そして1週間前から塩漬けにしたベーコン用三枚肉と、ハム用に丸めて布にくるんだ豚の肩ロースを煙突の中にぶら下げたら、あとは煙の出具合を眺めているだけ。2時間ほどできれいなベーコンの完成。ハムは布にくるんだまま70度のお湯に2時間つけた後、冷ませば出来上がりだ。
 ボイルは家人にまかせて出勤したが、煙の香りが体に沁みついていたおかげで、仕事に集中できないのには参った。
 帰宅後、ようやく口にしてみればうま~い!! ベーコンはほどよいスモーク香で塩加減もばっちり。ジャガイモと一緒に炒めればビールのつまみに最高でしょう。ハムも自然な肉のうまみが口内いっぱいに広がる。薬くささを感じる市販品とは別物ですな。
 実は数年前同じものを作ったのだけど、煙臭さで目がしみるほどの代物になってしまった。今回は弱火で慎重に煙を調整したのが良かったみたい。失敗を超えて得たころあいの良いスモーク香。心にしみますね。
 
 

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聖夜の準備

torinosu

 きょうこそはと計画していたタコ拾いは、また寝坊して干潮を逃してしまった。それにあんまり寒くて…。家人と坊やもさすがに外に出る気分ではないらしく、冬の休日。
 昼を過ぎると、家人がなにやら玄関の飾りつけを始めた。「もうすぐクリスマスでしょう」と言いながらディスプレーしているのは、谷戸で見つけたカラスウリやほおずき、葉脈だけになった落ち葉、そして自慢の収穫である2つの鳥の巣だ。
 大きいのはウグイスかメジロだろう。小さい方は、ひょっとしたらモズかな? 風で枝から落ちたものだけど、その繊細な作りに魅了されてコレクターになる人もいるらしい。真ん中にカラスウリをちょいとのっければ、確かに少しクリスマスらしい雰囲気。
 そういえば結婚以前、家人はクリスマス間近になるとリースを贈ってくれたんだけど、最近はそんなこともないねえ。坊やは近隣の家を見て、「サンタさんが分かるように、おうちでもピカピカやろうよ」とイルミネーションをねだっている。
 もうすぐクリスマス。ブログも冬の装いに。

 
 

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山の実力者

kikurage.jpg

 昨夜の風雨にはびっくりしたね。尾根の風の通り道に住んでいるから、家が揺れるほどだった。そして今朝、季節外れの“台風一過”に、家人はしめしめといった表情で山に行こうという。狙いは先日見つけたキクラゲ。12月の山で風の落し物を期待するのは難しいが、キノコは雨の湿り気でカサが広がり、絶好の撮影日和というわけだ。
 車で15分ほど行った山の中。坊やにキクラゲはどこかと聞けば、「こっちだよ」と道をはずれ林に入っていく。不審に思いながらついていくと、そのうちキクラゲがびっしり生えた見事な倒木が現れた。「ほら、すごいでしょ」。生えている量といい大きさといい、びっくりするほどの収穫。いやはや4歳児の実力に恐れ入りました。こんなキノコの場所を記憶しているのだから、坊やは飢餓の時代が訪れても、きっと原始人のように生きていけるだろう。
 採りたてのキクラゲは市販品では得られない滋味とかみ応えがやみつきになる。いつも通りゴマ油で炒めて食べたが、坊やが最大の権利者であると主張したのがおもしろかった。山の実力者には逆らえませんな。
 とても一回で食べきれる量ではなかったので、半分は洗った後に干して保存。まだまだ、楽しみは続きます。
 
 
 
 

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ドングリ探して

risu.jpg

 夏の間はどこに行っているのやら。タイワンリスは肌寒くなると身近な場所に姿を見せる。民家付近のドングリを探しているらしい。今年は度重なる台風の影響で山中のエサは不足気味らしいから、彼らも必死だろうね。
 愛らしい姿の彼らは、実は地元最大の害獣。クマでないだけマシだが、農作物を荒らしたり、電線を切ったり、屋根裏に巣くったり…。以前、隣のご夫人が「楽しみにしていたトウモロコシを全部やられた」と嘆いていた。鎌倉市などが繁殖を抑えるため、観光客にエサやりをやめるよう訴えた成果か、最近は減ってきたようだけど、まだまだ歓迎されることはない。自宅のそばで見かけるとうれしい気分になるが、庭には入るなというわけだ。
 もともとタイワンリスは江ノ島動物園で飼われていたらしい。、関東大震災で逃げ出した彼らは山林にすっかり定着し、人間の世話を受けることなく生き抜いてきたのだ。ところが人間の勝手で、愛玩動物から害獣に変えられてしまったのだから、彼らにとっては迷惑な話だね。、
 写真は、またまたキノコ採りに行った家人が常盤の樹ガーデンで撮った。相変わらず、亭主が留守の間に坊やとウマイことやっています。
 キノコ採りの収穫については後日。

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