あけびの紫
山道に紫の花がちらほら見えるようになってきた。そよ風に揺れる姿は、まるで葡萄の房のよう。藤のような華やかさはないけれど、この時期のお気に入り。
あけびの花。紫色が雌花、白い房は雄花。こんなかわいい姿から、あの大きな実がなるのだから、ちょっと不思議な感じだね。家人は裏山で見つけた蔓をブランコにからませて、ゆらゆらご満悦の様子。坊やに「これがあけびの実になるんだよ」と教えている。坊やは早速、僕に報告。「これがあけびの実なんだって。楽しみだね」。
木通と書いてあけびと読む。木通は「小水が通るようになる木の蔓」という意味と聞いて驚いた。あけびの蔓に利尿作用があるらしい。本当に昔の人は里山と仲良く暮らしていたのだと感心するばかり。
雌花の花弁には、にじみだした露が光る。紫は輝きを増し、青空に揺れている。
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