« March 2005 | Main | May 2005 »

あけびの紫

akebinohana
 
 
 
 
 
 
 山道に紫の花がちらほら見えるようになってきた。そよ風に揺れる姿は、まるで葡萄の房のよう。藤のような華やかさはないけれど、この時期のお気に入り。
 あけびの花。紫色が雌花、白い房は雄花。こんなかわいい姿から、あの大きな実がなるのだから、ちょっと不思議な感じだね。家人は裏山で見つけた蔓をブランコにからませて、ゆらゆらご満悦の様子。坊やに「これがあけびの実になるんだよ」と教えている。坊やは早速、僕に報告。「これがあけびの実なんだって。楽しみだね」。
 木通と書いてあけびと読む。木通は「小水が通るようになる木の蔓」という意味と聞いて驚いた。あけびの蔓に利尿作用があるらしい。本当に昔の人は里山と仲良く暮らしていたのだと感心するばかり。
 雌花の花弁には、にじみだした露が光る。紫は輝きを増し、青空に揺れている。
 
 

| | Comments (4) | TrackBack (0)

かぐや姫の森

takenoko

 みんな待ちかねていたのかな。緑の迷路を抜けて毎年通っている場所に行くと、知った顔が何人もクワを持ってうろうろしている。
 タケノコ掘り。「ほら、そこそこ」と声を掛けると、「ハイハイ」と人の分まで掘ってくれる親父さんもいて、子どもたちはその姿を楽しそうに見つめている。地元仲間で山の幸を楽しむ。気持ちがいいねぇ。
 竹林は適度に人の手が入らないと、無節操に竹が伸びて荒れてしまう。だから、春のタケノコ掘りは大事だと思うのだけど、最近はトラックで乗りつけて、タケノコを残らず掘り出していく業者もいるらしい。お金のために地元民の楽しみを奪う荒業は不愉快だ。
 収穫は2本。採れたての味を楽しめるのは2日ほどだから、たくさん採ってもしょうがない。竹林に差し込む光を浴びたタケノコは、かぐや姫でも出てきそうな風情でしょう。
 土佐煮、若竹汁、タケノコ飯、木の芽和え。堪能させていただきました。

| | Comments (12) | TrackBack (0)

満開の味

mannkai

 ようやく桜が満開になった。気分はすっかり花見で一杯。じゃあ、肴はどうする?家人は早速谷戸に向かう。
 ごらんの通りの大収穫。タラの芽、ワラビ、ツクシにおまけのキクラゲまで。家人は「コゴミみたいのもあったけど、本物かどうか自信がなかったから」なんて言っている。いやいや、これで十分でしょう。芽吹きの山は、本当に楽しい。
 タラの芽はもちろん天ぷらに。香りの高さはまさに春の感動だ。ツクシは佃煮にしても天ぷらにしても、土の風味がたまらない。ワラビはアクを抜いてからすりゴマや醤油で和えて楽しんだが、採れたてのきりっとした香りは今まで経験したことがなかった。とっておきの世嬉の一の原酒と合わせて、家の前の桜に目をやれば、「あぁ…」。なぜかため息がもれる。
 日本に生まれた幸せ、満開。

| | Comments (5) | TrackBack (0)

ひじき採り

hijikitori

 南風が強くなってくると、相模湾も春の到来。水はぬるみ、磯の楽しみもぐっと増える。
 ひじき採り。今が旬だけに、岩場を埋め尽くすほど生えている。ハサミを入れるとサクサクと切れて心地よい。坊やは手でむしっているけれど、それでは根が切れてしまう。「来年の分がなくなっちゃうよ」と声を掛けると、殊勝な表情でハサミを使い出した。
 まわりには漁師スタイルの地元の人々も。何が採れたかと聞けば、「いや、何にも」。そんなことはないでしょう。多分狙いはトコブシ。旬の5、6月の前に場所を把握しているのか、もう採ってしまおうというのか。
 我が家はたっぷりのひじきと、シッタカ、ムラサキウニをゲット。シッタカはゆでて身を取り出すと海草の香りが立ち上り、まさに海の食卓。ムラサキウニの卵巣は小さいけれど、はしの先につけて一杯やれば、もう銚子は止まらない。ひじきはしばらく干してからのお楽しみ。
 写真のアカナマコはどうしたかって?ナマコ酢は大好物だけど、あんまりきれいだったのでまたの機会に。
 

| | Comments (9) | TrackBack (0)

« March 2005 | Main | May 2005 »