雪を割って
先週の雪がたっぷり残り冷え切っているのに、森の中は普段よりずっと明るく感じる。木漏れ日に雪が輝いて、木々を照らしているから。厳しい寒さが引き立てる陽光の温かみ。春は確かに近づいている。
雪の段丘をずんずん登る家人は、私の独り言などまるで気にならない様子。丘の上に着くと、「ここら辺りにあったはず」と言って、雪を掻き分けだした。しばらくすると、満面の笑み。手元にはふきのとうが顔をのぞかせている。
まだ小さいけれど、鮮やかな緑。すっかり雪に埋もれているのに、ふきのとうも茎もたくましく息づいている。しかも、おいしく食べられるのだから、本当にうれしい春の幸。
坊やは「あと10周」とかいって、広場をぐるぐる走っている。マラソン大会に備え気合十分だね。家人は「てんぷらにするのは、まだ可哀想」と、残念そうにふきのとうに雪を戻した。どちらも2月のお楽しみに。春が待ち遠しい。
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