ミモザ ひそやかに
凍えそうな雪雲と、青空が繰り返し頭上を通り過ぎていく。遊びに出かけようか、それとも家で過ごそうかと考えている間に、冬の一日は過ぎていく。花もそんな心持ちなのか。ミモザ。茂った銀葉の陰で、いつの間にか咲いている。
昨年は雪の日だった。日の当たる枝から咲きそうなのに、なぜかためらう心持ちが我が家のシンボルツリーらしいね。おかげではしごを立てたり、枝に登ったり、撮影は一苦労だけど、輝く黄色の花房はどうしても残しておきたい春の兆し。
7年前、植えたばかりのころは、通りすがる人に「あの花は何という名前?」なんてよく聞かれた。ところが最近はヒット曲の題名になり、すっかり有名らしい。つぼみを見ながら「もうじきだね」。空に燃える黄金の輝きを、みんな心待ちにしている。
忘れられないのは、はじまりの一房。輝ききれば、また新しい季節。坊やには撮影に熱中する親父が不思議に見えるらしい。いつかわかる時が来るよ。
ミモザの花言葉、ひそやかな愛。
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