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甘く危険な香り

Passion
 
 今年も順調なパッションフルーツの収穫。早くも3粒落果して、食べごろになるのを待っていた。楽しみ方は決まっている。それもピーカンの庭で楽しめれば最高。
 
 パッション泡盛。果実の端を切り落として、抱瓶(だちびん)の泡盛を中に注ぎ込むと、甘酸っぱい澄んだ香りが庭中に漂う。一息にあおると、焼け付く熱さと南国の風味がのどを走った。時折、酸味の強い種をかじって正気を取り戻そうとしても、もう遅い。脳天に差し込む強い日差しの下で、家人とさしつさされつ……。
 
 それにしても味といい、風味といい、こんなうまいカクテルは飲んだことないな。果実を食べ終えても香りを楽しめ、飲み始めたらとまらない感じ。今度から沖縄料理屋で飲む時は、パッションを持ち込みたい。いかがでしょうか、あんだんすーさん、マーヤーさん。

 すっかり日が暮れたころに目を覚ますと、隣にはぐっすり眠りこけた坊や。手には果実をきれいに食べ尽くしたパッションを握り締めている。さすがに飲みすぎを少し反省。明日は二日酔いの受難が待っている。それもパッション。

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みょうが寿司

Myougazushi
 
 昨日の午後、家人が「谷戸に付き合って」と言い出した時は驚いた。なにしろ猛烈なスコールに雷。「傘に落雷する」と止めても、「どうしてもみょうがの葉が欲しい。今なら蚊もいないわ」だって。熱意の成果、感服します。
 
 みょうが寿司。先日作った梅酢に庭のみょうがを漬けて、酢飯にたっぷり混ぜ込んだ。あとは梅酢でしめた鯵をのせ、殺菌効果のあるみょうがの葉で包むだけ。「ほら、なんて美しいの」と、家人はすっかりご満悦。葉っぱをほどいてひとつ口にすれば、梅とみょうがのさわやかな香り。酢飯は舌にほろりととけた。
 
 それにしても、みょうがも梅も見事な引き立て役。ご飯はもちろん、旬を過ぎた鯵の甘みも引き出してくれる。葉の緑は目に涼しく、酒にぴったり。かなり過ごしてしまったよ。
 
 坊やは「ぼくがにぎったお寿司が一番おいしいよ」と自慢げに、ぱくついている。君も上手に作った。みょうがだからって忘れちゃいない。家人はニンマリ「また葉っぱを採りに行く?」。おやおや、ずぶぬれになったことを忘れたか。今年はこれでご勘弁。

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土用干し

Doyouboshi

 真夏らしい暑さと雲ひとつない青空。家人と坊やは「待ってました」とばかりに、朝から庭で楽しそうな声を上げている。カーテンと窓を開け放ったベッドにも、そのうち酸っぱくさわやかな香りが漂ってきた。長梅雨の忘れ物、どうやら解決したらしい。
 
 土用干し。今夏の土用は8月7日までだから締め切り寸前だ。母子で拾い集めた果実に市販の梅も足して、漬かり具合は文句なし。しかし決め手の一味はお天道様のご機嫌しだい。1粒ずつザルに並べると、坊やは拍手2回打って「お日様、お願いします」。
 
 「今年はこれだけじゃないのよ」と家人が自慢気に言う。熟れた梅肉はジャムに。果実の一部は砂糖漬けにして梅シロップを作った。さらに残った種の核をリキュールに漬けて、「アマレット」も密造中。こういうことは本当に熱心だね。
 
 梅干1粒、唇に寄せれば香りで酸っぱさが口一杯に広がる。坊やも目をしばたかせて、「早くおにぎりにしたいね」。あと2日、お天道様に美味しくしてもらおう。今夜は水茄子ときゅうりを梅酢で漬けた、ちょっとゴージャスな柴漬けで一杯。
 「あーした天気になーあれ」

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