胡桃拾い
緑の果実、これなんだ? 念願の秋の収穫。家人がありかをついに見つけてきた。
鬼胡桃の実。谷戸の胡桃の木はライバルが多く、収穫は期待できない。だから誰も入りこまないような藪の木に向かい、アズマネザサを必死にかき分け歩く。根元についたら、あたりの地面をしばらくまさぐりつづけて、ようやくレジ袋2杯分。
収穫した実は足の裏で両側から踏み潰すようにすると、硬い種がコロリ。家人はその殻にかじりついて割ろうとしている。まるでリスだね。なんとか乳白色の実を取り出して、口にすれば、脂の香ばしさと渋みが口いっぱいに広がった。今夜はシングルモルトで一杯。それとも加賀風の佃煮にして、酒でやるか。
それにしても、秋のおいしい実は苦労なしでは味わえない。栗にイガ、銀杏は悪臭、胡桃も外皮に毒がある上、殻はとんでもなく硬い。リスや小鳥たちの好物でもあるから、人間が独り占めしないよう、神様が工夫したのかな。
ならば、あとの収穫は我が家の小動物におまかせ。「また胡桃ゲット!」。森の住人は藪の中でいつまでも声を上げている。
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