Light My Fire
今年は暖冬のはずなのに、寒さが体の芯までしみる。年末に引いた風邪が抜けきらないからか、年のせいか。それとも、少しやせたからかな。今一つさえない気分の冬の休日。暖かく楽しむなら、焚き火パンが一番。
作り方は至極簡単。パン焼き器で練った生地を延ばして、自家製ベーコンをのっける。その生地を竹筒に巻き込んで、焚き火でじっくり焼いていくだけ。ポイントは熾き火。くべた薪が燃え上がっている状態では、焦げてしまう。たっぷりの薪が炭火になったくらいが一番よい。全体が焼けるように、竹筒を転がしつつ、オリーブ油を塗るのも忘れずに。
もう何度も楽しんでいる坊やは、すっかり手馴れた様子で生地を竹筒に巻き込んでいる。パンの焼け具合を見ながら、オリーブ油を塗る手さばきも実に丁寧。本当に君は料理好きだね。親父は時折、火の調整をするくらいで、紅茶をすすって見ているだけ。
こんがり焼けた焚き火パンは、かぶりつくと薪の煙と甘いイーストの香り、そしてベーコンの脂が口中にほとばしった。何しろ大御所「湘 南 く い だ お れ -」さんでも紹介された、「みーとはうす KANEKO」の豚バラ肉を使っただけあって、脂身のうまみがまるでちがう。これは絶品ですな。
竹筒片手に焚き火を囲む3人家族。その後も薪をくべながら、ポタージュや焼きりんごを楽しんだ。どんなに雲が厚くても、日が傾いても、薪の炎は一層あたたかみを増して、寒さを感じさせることがない。「ちょっとワインもあっためてみようか」と家人。さめた気分はすっかりほぐれ、ハートにかすかな火が灯る。
「ほらママ、ミモザが咲きはじめたよ」。
春はもうすぐ。
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