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Merry X’mas

Xtree4
今でこそ家人とこんな生活をしているが、子どものころは団地住まい。花を植えたり、果実を育てたりすることには縁がなかった。ところが一本、樅の木だけはあったんだな。やたら大きな植木鉢で育てて、年に一度、派手に飾る時はとにかく胸が高鳴った。クリスマスまでしばらくの間、わくわくした気分で過ごしたものだった。だから、背が高くなりすぎて団地の空きスペースに植え替えることになった時は、ひどくさびしい気分だった。今は見上げるような大木になって、飾りつけられることもないのかな。

クリスマスツリー。そんな思い出が新しい木を買うのをためらわせるので、我が家は森の装飾品で代用。枝ぶりのよい落木にドングリやヤシャブシでかたどった星、そしてカラスウリのランプ。市販のイルミネーションを少しまきつければ、渋いでしょう。長い間見ていないあの木にも、こんなカラスウリが巻きついていたら楽しいね。

「早くカメラやめてよ、サンタさんにあげるジンジャークッキーをつけなきゃいけないんだから」。おやおや坊や、きょうは本当に真剣だね。大丈夫。こんな変わったツリーなら必ずサンタさんも気づいてくれる。あしたの朝のお楽しみ。

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晩秋の光

Takaneko

キッチンの小さなかごに入れた秋の収穫は、キクラゲ、むかご、そして小粒のフェイジョア。例年なら今頃は栗や胡桃、銀杏など狩猟採集の品を存分に楽しめた。今年は在庫が足りないのではないかね、奥様。なになに、あんたが夜中まで帰ってこないからありつけていないだけ。私と坊やは十分楽しんだって? ふむ、たしかにそんな気もする。

もはや師走だが少しでも収穫を堪能しようと、三浦まで足を伸ばしてハバノリ採り。少し時期が早いのか岩には若芽がうっすら。根こそぎとらないように気をつけて摘み取る。水はさほど冷たくない。坊やは水切りやイソギンチャクに指を突っ込んで遊んでいる。

Kurosaki

しかし秋の陽は釣瓶落とし。3人分の“ハバ”を摘むと夕暮れはあっという間にやってきた。陽は水平線の上をたなびく雲に吸い取られ、坊やは「初めて太陽が沈むの見たよ」とうなずく。そうだな、きょうが終わり、秋が終わり、今年もまもなく終わり。そんな当たり前のことを親父はしばらく忘れていたよ。明日からコートを替えて、冬を楽しもう。

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“ハバ”は2,3日天日で干してから、人肌の燗で一杯。テーブルの上にはススキのランプ。家人が作った今秋一番のお気に入り。ちなみに冒頭のキッチンのかごは、家人が小物作家のtakanecoさんに教えてもらって作ったそうです。ありがとうございました。

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