晩秋の光
キッチンの小さなかごに入れた秋の収穫は、キクラゲ、むかご、そして小粒のフェイジョア。例年なら今頃は栗や胡桃、銀杏など狩猟採集の品を存分に楽しめた。今年は在庫が足りないのではないかね、奥様。なになに、あんたが夜中まで帰ってこないからありつけていないだけ。私と坊やは十分楽しんだって? ふむ、たしかにそんな気もする。
もはや師走だが少しでも収穫を堪能しようと、三浦まで足を伸ばしてハバノリ採り。少し時期が早いのか岩には若芽がうっすら。根こそぎとらないように気をつけて摘み取る。水はさほど冷たくない。坊やは水切りやイソギンチャクに指を突っ込んで遊んでいる。
しかし秋の陽は釣瓶落とし。3人分の“ハバ”を摘むと夕暮れはあっという間にやってきた。陽は水平線の上をたなびく雲に吸い取られ、坊やは「初めて太陽が沈むの見たよ」とうなずく。そうだな、きょうが終わり、秋が終わり、今年もまもなく終わり。そんな当たり前のことを親父はしばらく忘れていたよ。明日からコートを替えて、冬を楽しもう。
“ハバ”は2,3日天日で干してから、人肌の燗で一杯。テーブルの上にはススキのランプ。家人が作った今秋一番のお気に入り。ちなみに冒頭のキッチンのかごは、家人が小物作家のtakanecoさんに教えてもらって作ったそうです。ありがとうございました。
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Comments
素敵なランプ!!以前の木蓮にも驚きましたがススキでランプを作られるなんて思いもよりませんでした。
冬の花火のようですね?
Posted by: mamaさん | December 04, 2007 12:49 AM
mamaさん
「冬の花火」なんて素敵な表現、嬉しいです。
木蓮のランプはわずか二日の命でしたけど、
ススキの穂は意外にしゃんとしています。
Posted by: wildwife | December 04, 2007 09:43 PM
季節のない南国でも、比較的涼しい日が続いてるよ。それにしても気持ちのよさそうな台所だこと!ほんと、Wild家に生まれたかったっす。娘にして。持参金アリ。
Posted by: ぐうぐう | December 05, 2007 12:54 PM
こんちは。盛夏から、晩秋、いや初冬か。2枚目の写真、傑作だと思います。
Posted by: 守屋 | December 05, 2007 02:58 PM
ぐうぐうさん
なぬ!? 持参金とな?
そういえば、帰国したらここらへんに住むという構想がありましたっけ?
息子に「おおーっきい(強調)お姉ちゃん欲しい?」と聞いてみるよ。
守屋さん
夕日の下に見えるのは、伊豆半島の先っちょの方です。
左の方には大島も見えました。
Posted by: wildwife | December 05, 2007 05:17 PM
お!待望の更新ですね。まぁ、なんて素敵なキッチンなのでしょう。wild wifeさんはほんとーに素敵なセンスの持ち主ですねぇ!
夕日にシルエットの坊や、随分大きくなりましたね。お父様も少しスローダウンで、鎌倉の素敵な自然をお楽しみなさってくださいね。
Posted by: Lady E | December 08, 2007 06:19 PM
Lady Eさん
すっかりスローダウンぎみのブログを、忘れずに覗いて下さってありがとうございます。
1年以上も前に拾った面白い形の流木、ようやく使い道ができました。
今回もまた拾ってしまったので、使い道が決まるまで寝かせておくことにします。
Posted by: wildwife | December 09, 2007 10:57 AM
素敵なキッチン!うちだったら皆一緒くたにかごに入ったりしているものを飾りながら素敵に演出。
常に自分なりの美意識を大切にしているんですね。
日の入るというのもいいね。見習いたいです。
Posted by: rururu | December 19, 2007 02:17 PM
rururuさん、こんにちは。
美意識なんて大げさなもんじゃ・・・
つい拾ってしまった流木の使い道を探していたもので、無理矢理使ってみました。
こうやってしばらく干してあったムカゴは、ほんのり甘く濃い味になっていました。
Posted by: wildwife | December 19, 2007 03:30 PM