たけのこ焼けた?

Soramame

 「5連休、本当にいいのか」と何度も確かめたけれど、今どきの会社は社員が休むほうがありがたいらしい。でも、このインフルエンザ禍では海外に行くわけにもいかず、「1000円乗り放題」の渋滞高速に突入する勇気も……。ならば、久しぶりに庭を満喫。
Okome 
Yaitara 
 焼きソラマメをつまみながら見つめているのは、脇にゴロリ横たわったとれとれのたけのこ。熾き火でじっくり焼くと、ゆでるよりずっ
とおいしくなるんだな、これが。どうせなら一緒に切ってきた竹でご飯も炊いてみようじゃないか、と本当に久しぶりの盛り上がり。やっぱり休みはこうでなくちゃね。 
     だいたい焼いた野菜っておいしすぎる。ソラマメはワタの水分で、ふっくらみずみずしい焼き上がり。ゆでたヤツとは味の濃さがまるで違う。野菜自体の水分でゆで上がるから、うまみが損なわれない。いくら焼いても家人と坊やにつままれて、飯が炊き上がるころにはレジ袋満杯のソラマメがすべて消えていた。 焼きたけのこと竹筒飯も原理は同じだから、おいしいに決まってる?

Chikutouhan

 さて、竹筒飯。竹筒から出る水蒸気が透明になってきたあたりで、できあがり。しばらく蒸らして竹を割ってみれば、ふわっと竹の香りが庭中に漂った。と同時に焼いた丸のたけのこを包丁で割ると、薄黄色の身から湯気が噴き出すようにあがって香ばしい空気はさらに濃密に……。あとはたけのこにしょうゆをタラリとたらしてかぶりつき、竹のエキスがしみこんだご飯をかきこむだけ。一口かみ締め呼吸するたびに、口中はもちろん、たけのこの若い香りと甘みが体中にしみこんでいく。坊やでもたけのこ丸々一本軽くいってしまう感じ。ご飯もあっというまになくなった。

Yakitakenoko
 
 実は鎌倉に住み始めてここ10年ほど、店でたけのこを買ったことがない。持つべきはよき友。おかげで以前は知らなかったたけのこの味を、今は味わえる。でも、生まれて以来自分で掘ったたけのこを食べている坊やにとっては、この味が当たり前か。「もう1本食べていい?」なんて言いながらかぶりつく彼がうらやましいやら悔しいやら……。
 たけのこ食べて背も伸びたか? あした確かめてみよう。

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ピーカンBBQ

Barbeque1
 見事なピーカン。気温もまさに真夏。エアコンなしのわが家はもちろん逃げ場なし。ならば暑さを思いっきり楽しもう。
 ピーカンバーベキュー。定番はラムのケバブ。ミンチして刻んだニラと合わせたら、適当な枝にぐるりと巻き付けて焼くだけ。簡単でしょう。
 
 なに? 何の工夫もなくて、珍しくもないって? いやいやよく見て下さいな。秘密は枝に……。そう、月桂樹。切ったばかりの枝で焼くとフレッシュな香りが思いっきり肉に染みる。そいつをガブリとやれば、香りとラムのうま味が口中いっぱいに広がって、もうたまらんという感じ。ソーセージなども枝先に刺して焼くと味はまるで別物に。
  
Barbeque2

 坊やはケバブの焼き方も、すっかり手慣れた様子。素焼きのプランターが七輪代わりになることに、しきりに感心している。「そろそろパンも焼こうか」だって。日が暮れたら、またキャンドルを灯して、夜風と赤ワイン。ゆっくり夏の旅行先でも考えようか。

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桜の置き土産

Morel

 八重桜の花びらのそばには収穫らしきものがずらり。さあ、これなんだ。 
 アミガサダケ、フランスではモリーユ(Morel)と呼ばれる高級キノコとか。もちろん、家人がそう言っているだけ。だいたい姿が不気味じゃないか。しかも家の前の桜の藪で、坊やと友達がこの数倍ほど収穫したという。話がうますぎる。きっと毒だ、やめておけ。
 深夜に帰宅して収穫を見せられ小言をひとくさり。もちろん、家人は気にもせず言い切った。「もう坊やと食べちゃったよ。おいしかったよ」。はぁ、あきらめてますよ……
 
 一応、書物を確認するとこれは春が旬のキノコで花が散った桜の根元に出るという。毒のある品種もあるが、見かけがまるで違い素人でもわかるとも。ふむ、大丈夫かな。
 収穫後に干してほぼひと月、相性がよいというバターソテーで試してみた。一口かみ締めるごとに滋味が口中に広がる。歯ごたえはかなり固め。もうすこしやわらかくしてクリームソースとあわせたら、確かに癖になるかも。来年はいろいろなレシピで試してみようか。
 
 それにしても、食べ物に関してはやっぱり女の方が貪欲らしい。一緒に収穫した坊やの友達のママさん2人は家人を信じ切って、収穫したその日に食べてしまったとか。おまけに腹痛に見舞われた一家も。キノコが腐っていたのか、調理が足りなかったのか。それでめげる様子もない??
 その女、無謀につき。皆様、家人の言うことを鵜呑みにしていると、どうなるか知りませんよ。というより、同種の女性が増えることに怖さを感じるのは私だけでしょうか……

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あけましておめでとうございます

Kurikinnton

みなさま、新年おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

スローライフといいますが、スローになるのはブログの更新だけ?
でも、手間がかかるからスローは楽しいわけで……。
証拠はご覧の栗きんとん。混じりっ気一つない裏山の柴栗100%を箸にとれば、こっくりとした甘みは上等な和菓子のよう。生まれてこの方、芋きんとんしか味わったことのない私は、目からうろこが落ちた思いでしたよ。
拾って、皮をむいて、煮て、漉す。その味に驚く私に、「どうだ」と自慢げな家人。
今年もカカア天下、それもまた楽し。

我が家の遊び暮らし、今年も笑っていただければ幸いです
皆様のご多幸をお祈りいたします。

2008.1.1
Wildlife,Wildwife & Boy A

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七夕羊羹

Mizuyoukan1_2

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 家人は竹筒をトンボの群れなす谷戸のせせらぎに並べてご満悦。最近、雨が多かったおかげで水の流れは思ったより速く、冷たい。「どれくらいたったら冷たくなるの」と坊やは待ち遠しそう。さて、中に入っているのは冷や酒? それとも…… 
Mizuyoukan2
 水羊羹。初めて作ったわりには、きれいな出来上がり。竹筒の節に穴をあけて傾けると、深緑の涼菓がするりと現れた。濃厚な色はご愛嬌。いくら好きだからって、こんなに抹茶を混ぜ込んだら坊やは食べられないよ。奥様。
 
 水筒の熱いお茶と一切れ口に放り込めば案の定、かなり大人の味。午後の谷戸を吹く風とお茶の香りに、湿った気分が涼を取り戻す。蚊が増え始めたので、谷戸歩きもしばらくお預けだろう。今日は思う存分ハンモックで昼寝三昧。
 
 「ママ、苦くて食べられない!!」。突然、憤慨した坊やの声があたりに響いた。まあ、そう怒るな。羊羹を取り出した竹筒は水鉄砲に。「よし、悪いママをやっつける」。母子で大騒ぎして、水をかけあっている。

 七夕の短冊飾りにはどんな願い事をしようか。「こんな日がいつまでも過ごせれば……」。どこかで笹の葉がさらさら鳴っている。

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Berry Pie

Berrycake2
ジューンベリー、ワイルドストロベリーにラズベリー(木苺)……。今年の庭は本当に順調。昨年の今ごろは毛虫摘みにいそがしかったのに、今は思いっきり収穫を楽しめる。坊やはワイルドベリーの草むらにしゃがみこんで、赤い実をまさぐっている。親父はジューンベリーがお気に入り。家人は散々つまんだ後にフェイジョアの花までちぎりとって、むしゃむしゃ食べている。

つまんで楽しむのもよいけれど、どうせなら洋菓子屋でも見たことがないような、ケーキを作ってみよう。とっておきのパイ生地を焼いて、カスタードクリームをたっぷり塗ると、坊やがきれいに盛り付けた。「さあ、どこから食べようかなぁ」。おやおや坊や、パパとママの分け前は……。

庭にハンモックを広げて、のんびり紅茶と楽しんでいると、ヤマボウシの樹上に鳥の巣があるのに気づいた。ずいぶん小さい。ウグイスか、それとも渡り鳥だろうか。ベリーにひかれてやってきたにちがいない。尾根を流れる風は夏の気配。さあ我が家も、夏はどこの島に飛んでいこうか。

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たこくらべ?

Takotori_1



 アラメが生え茂った岩場をタコメガネでのぞきながら歩いていくと、なにやら水底から視線が……。おやおや、そんなところにいらっしゃいましたか。虹色の瞳がいつも魅力的。もちろん、お味のほうも。それではモリで一突き、いただきます。
 初夏の楽しみはなんといってもタコ採り。潮が思いっきり引いたころを見計らって磯をうろうろすれば、意外にチャンスは多い。砂地から目をのぞかせていたり、岩陰から吸盤をちらつかせていたり。出会いの形は様々だけど彼らは動じない。その目で「オレがつかまると思ってんのか?」なんて言っているようにも見える。君も甘いな。墨を吹き、腕にまとわりついて抵抗したが、あっという間に魚籠のとりこに。
 さて、どう料理しよう? ワタを取り出し、たっぷりの塩でぬめりをとったら、熱湯で2分間ゆでる。あとは氷水で締めるだけ。定番は刺身にしてわさび醤油だけど、きょうはオリーブ油と塩で足一本ガブリというのはどうだろう。冷やした白ワインをあわせたら、もう最高じゃないか……。
 「パパぁ、このタコ、ボクのことを見ているよ」。妄想する親父のそばで、坊やは魚籠のタコとにらめっこ。「それならもっと顔をそばに寄せてにらめっこしてみたら」と、砂浜で記念写真。そういえば3年前にもこんな記念写真をとったっけ。タコのサイズはあの時と変わらないのに、ずいぶん小さく見えること。子どもの日は仕事で遊んでやれなかったから、今年は“たこくらべ”。今晩はお祝いだな。

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残り香

Sakuraboshi
 六国見山はすっかり若葉の輝きに覆われて、初夏の雰囲気。ついこの間まで、我が家の前で八重桜を摘む人を見かけたのに。季節が過ぎるのは早いもの。でも人の心はそうあっさりとは変われない。もう少しのんびり行く春を楽しみたい。

 桜の塩漬け。塩とレモンに数日漬けて、庭で半日ほど天日干しすればできあがり。干している間は辺りに桜の香りがぷーんと漂って、ハンモックの親父はすっかり夢心地。この香りは少し酒に酔ったような気分にさせる。
 
 それにしても桜にこんな香りがあるって知っていた? ドンちゃん騒ぎの花見では桜の真価はわからない。色も見事。レモンの効果でほとんどショッキングピンクに染め上がった。桜湯にするか、吸い物にするか。いろいろ使いようがあるのもうれしい春の残り香。
 
Sakuraohagiふと気がつけば、家人と坊やがハンモックの脇でニヤニヤしている。眠ってしまったらしい。体を起こすと、坊やが何やら差し出した。桜のおはぎ。さすが家人。桜の塩と餡子がこっくりと溶け合って、これはたまらんという感じ。
 
 「今夜はこのお酢を使って、何か作ってみようか」。家人はさらに桜色に染まったお酢を顔に近づけてきた。ふむ、この香りもたまりませんな。晩の献立でも考えながら、ハンモックでもうひと寝入りしますか。「散る桜 残る桜はおいしくいただきます」。良寛さんに怒られそうな春の午後。

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Light My Fire

B
 
 今年は暖冬のはずなのに、寒さが体の芯までしみる。年末に引いた風邪が抜けきらないからか、年のせいか。それとも、少しやせたからかな。今一つさえない気分の冬の休日。暖かく楽しむなら、焚き火パンが一番。

 作り方は至極簡単。パン焼き器で練った生地を延ばして、自家製ベーコンをのっける。その生地を竹筒に巻き込んで、焚き火でじっくり焼いていくだけ。ポイントは熾き火。くべた薪が燃え上がっている状態では、焦げてしまう。たっぷりの薪が炭火になったくらいが一番よい。全体が焼けるように、竹筒を転がしつつ、オリーブ油を塗るのも忘Cれずに。

 もう何度も楽しんでいる坊やは、すっかり手馴れた様子で生地を竹筒に巻き込んでいる。パンの焼け具合を見ながら、オリーブ油を塗る手さばきも実に丁寧。本当に君は料理好きだね。親父は時折、火の調整をするくらいで、紅茶をすすって見ているだけ。
 
D こんがり焼けた焚き火パンは、かぶりつくと薪の煙と甘いイーストの香り、そしてベーコンの脂が口中にほとばしった。何しろ大御所「湘 南 く い だ お れ -」さんでも紹介された、「みーとはうす KANEKO」の豚バラ肉を使っただけあって、脂身のうまみがまるでちがう。これは絶品ですな。
 
 竹筒片手に焚き火を囲む3人家族。その後も薪をくべながら、ポタージュや焼きりんごを楽しんだ。どんなに雲が厚くても、日が傾いてEも、薪の炎は一層あたたかみを増して、寒さを感じさせることがない。「ちょっとワインもあっためてみようか」と家人。さめた気分はすっかりほぐれ、ハートにかすかな火が灯る。

 「ほらママ、ミモザが咲きはじめたよ」。
 春はもうすぐ。

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甘く危険な香り

Passion
 
 今年も順調なパッションフルーツの収穫。早くも3粒落果して、食べごろになるのを待っていた。楽しみ方は決まっている。それもピーカンの庭で楽しめれば最高。
 
 パッション泡盛。果実の端を切り落として、抱瓶(だちびん)の泡盛を中に注ぎ込むと、甘酸っぱい澄んだ香りが庭中に漂う。一息にあおると、焼け付く熱さと南国の風味がのどを走った。時折、酸味の強い種をかじって正気を取り戻そうとしても、もう遅い。脳天に差し込む強い日差しの下で、家人とさしつさされつ……。
 
 それにしても味といい、風味といい、こんなうまいカクテルは飲んだことないな。果実を食べ終えても香りを楽しめ、飲み始めたらとまらない感じ。今度から沖縄料理屋で飲む時は、パッションを持ち込みたい。いかがでしょうか、あんだんすーさん、マーヤーさん。

 すっかり日が暮れたころに目を覚ますと、隣にはぐっすり眠りこけた坊や。手には果実をきれいに食べ尽くしたパッションを握り締めている。さすがに飲みすぎを少し反省。明日は二日酔いの受難が待っている。それもパッション。

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